風来坊

ダーク・タイドの風来坊のレビュー・感想・評価

ダーク・タイド(2011年製作の映画)
2.0
過去レビュー投稿。

南アフリカのフォルス湾に浮かぶ島。かつてサメに襲われツラい過去を持つ女性ケイト。仲間の儲け話にしぶしぶ乗ったケイトは富豪の親子をサメと泳がせるために海へと向かうが…。ハル・ベリーさん主演の海洋スリラー。

同じく鮫をテーマにした「ジョーズ」や「ディープブルー」のような感じの映画と期待したのですが大いに期待を裏切られる作品。
一体何を主体にしたいのか分からない。
鮫の恐怖をか遭難の恐怖か人間の欲や浅はかさを描きたいのか…。どれをとっても中途半端感は否めません。

登場人物に感情移入出来るような魅力的な人物がいないのもツラい。
主人公は海を舐めたせいで仲間を失ったのに、あまり打ちひしがれている感じがしません。
結局は金で海に戻りムキになって客や仲間を危険に晒してしまう。なんら前回の教訓を生かせていません。

主人公を立ち直らせるために強引な手段を使う元恋人は、強引に誘ったのは自分なのに心配だと騒ぎだす始末…。そんなの分かってた事でしょうよ。
富豪は金持ちの横柄さを良く醸し出してたと思いますが、魅力的ではないしその息子や操縦士も空気的な存在…。

ただでさえ密室的なシチュエーションで登場人物が少ないのにこれはない。
肝心の海の中のシーンも構図が悪いし画面が暗すぎて良く分かりません。
唯一の見せ場が残念な事に。

幻想的な音楽で煽ったところで物語に魅力がないので効果なし。
演出も巧さを感じませんでした…。
こういう映画でノリノリだったのかどうかは分かりませんが、ハル・ベリーさんの空回り感もイタい。

でも怒り散らす演技ではアカデミー賞女優の力を見せてくれてますけどね。
キャッチコピーにあるような「生き残るのは鮫か人間か」なんてのを期待して観ると肩透かし…。

悪口しか書いてませんが海難事故のドキュメントみたいな感じだと思えばまずまずは観れます。ハル・ベリーさんのセクシーな水着姿は目の保養になりました。それだけが唯一の収穫でした。
風来坊

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