emily

隣人 ネクストドアのemilyのレビュー・感想・評価

隣人 ネクストドア(2005年製作の映画)
3.3
恋人と別れたばかりのヨーンは、隣の美人姉妹から声をかけられ、妹は暴行された過去があるとかで、姉の留守の間のボディガードを任される。しかし妹に挑発され性欲と暴行に勝てず精神を崩壊していく。

 現実と妄想、開けても開けても続いていく扉の向こうと、先の見えない廊下の不気味、扉を挟んで閉鎖的に、どこか覗き見されているような不穏な空気感、訪れる元妻の意味深な発言、妄想が現実に覆いかぶさり、その境界線が一枚隔てた壁の向こうから侵出してくる。

 男の潜在的な欲求を刺激し、暴力と快感が交差するシーンの両極の切り替えが一つの線のようにつながって行く、二人の交わりるシーンは絶品だ。
 妄想と現実のハザマを行ったりきたりし、観客をしっかり翻弄し、その真実も迷路のようにさまよいながら、徐々に核心についてくる。愛してるものほど壊したくなる。愛してるから独占したくなる。ラストは愛という依存による悲しいラストであるが、本人はそれで幸せなのかもしれない。

 
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