ohassy

アンストッパブルのohassyのレビュー・感想・評価

アンストッパブル(2010年製作の映画)
4.0
僕はこの映画をすっかり誤解していた。
「暴走列車」「トニー・スコット監督」というだけで、お気楽娯楽アクション大作だと思っていて、いくらデンゼル・ワシントンが出ていようが触手が伸びなかったのだ。

非常に後悔している、映画館で観たかった。

もちろんトニースコットたる、意味があるのかないのかよく分からないカメラワークは随所に散りばめられていて、時々「?」となることはあるのだけれど、キャラクターたちの地に足のついた感じや、走っている電車という密閉空間で緊迫感を高める演出、骨太な軸。
そこに抜群の存在感と重みで映画を映画たらしめるデンゼル・ワシントン、これぞ映画だと思わせる。
いや、面白かったなあ。

電車というのは、布の座席とかアルミっぽい材質とか広告とか、そんな印象。
しかし本作の電車には、暴走する前から圧倒的な「機械」の重みや凶暴性があって、普段乗っているそれとは全く違うモノであるかのようだ。
連結の音が咆哮のように聞こえてくる。
そして、乗りこなすデンゼルだ。
ステレオタイプな生意気な新人車掌・クリス・パインも、引き立て役として素晴らしい。

暴走した電車をなんとかしないと街が危ない!
そんな地味なプロットだからといって、軽々しくスルーするべきではなかった。
トニー・スコット監督作品だからといって、まあいいかなんて思うべきではなかった。
(誤解の無いように補足すると、トニスコ作品はかなりの割合で観てるし好きなの多いです)
90分程度で構えることなく観られて、満足度も高い。
良い映画です。
ohassy

ohassy