ボブおじさん

アンストッパブルのボブおじさんのレビュー・感想・評価

アンストッパブル(2010年製作の映画)
3.8
無機質な鉄の塊が、まるで意志を持っているかのように暴走する。行手を阻もうとするものは全て無慈悲に蹴散らされる。これは冴えない日常を送る2人の男による、〝怪物〟退治の映画だ。

劇場公開時に、この映画を見ながら思った。これは、スピルバーグの「激突!」の逆バージョンじゃないのか?あちらは、後ろから追いかけられる話だが、こちらは追いかけて行く方だ!

いや、初対面の2人が、暴走する乗り物に飛び乗って、制御出来ない〝怪物〟を命懸に止めようとするところはヤン・デ・ボンの「スピード」か?

それともお互い顔も知らない味方からの無線の指示を頼りに、無謀な任務に挑むのは「ダイ・ハード」か?

待てよ、経験の浅い若者(クリス・バイン)と引退間近のベテラン(デンゼル・ワシントン)のコンビは、ブラピとモーガン・フリーマンの「セブン」じゃないか?

でも主演ワシントンのバディものとして、頭に浮かぶのは「トレーニング デイ」の方か?

「トップガン」以来、多くの作品で楽しませてくれたトニー・スコット監督が、映画の面白いところをギュッと詰め込み99分にまとめてくれた。残念なことに、にこれが彼の最後の作品となった😢

列車とサスペンスの相性がいいのは、ヒッチコック以来のお墨付き。悲劇のスタートは、ユルユルといささか間抜けに始まる。それが徐々にスピードと緊張感を増し、やがて手が付けられない〝怪物〟へと変わっていく。

映画の面白さを知り尽くした監督が、最も信頼できる相棒のデンゼル・ワシントンと5度目のタッグを組んで撮ったスリルとサスペンスに溢れたアクション映画。

線路内で制御不能のアンストッパブル状態に陥った全長800mの〝怪物〟を果たして2人は止められるのか?


公開時に劇場で鑑賞した映画をテレビ録画して再視聴。