コメディとシリアスの振り幅の激しさや唐突さはインド映画っぽい、と容認しての☆5。
ラージューの人物像がとても好ましかった。迷いや恐怖、正しさ、友情、将来への不安。様々な感情に揺れる中で自分の心を見出した姿は胸に刺さる。
盲目的で歪んだ理想や期待を押し付ける大人達に対し、子供達は常に健気で愛にあふれていた。
たくさんの傷をこさえながら、子供達の愛と献身が静かにゆっくりと大人達に染み込んでいく様子がとても繊細な描写だと感じる。
伏線や布石がバシバシ回収される楽しさもあり、物語の終わりはここからまた始まるような爽やかさもあり、過程には重くてしんどい展開も多いのだが苦しさを残さずに観終わらせてくれた。
色々なところでプッシュされている映画の中で、つられて観て良かったと断言できる作品であった。