実話怪談集「怪談新耳袋」の制作スタッフが怪談で語られた場所を実際に訪れて検証を行うという心霊ドキュメンタリー「殴り込み!シリーズ」第11弾にして劇場公開作品第5弾。
監督:市川力夫・青木勝紀
「沖縄リベンジ」
沖縄といえば心霊。
心霊といえば沖縄。
新耳袋原作者はこう語る。
「前回のやつ、ほんとにあれでいいの?」(要約)
果たして、おじさんたちは立ち上がった。
水先案内人として小原 猛氏を再召喚。
まさに命懸けの心霊ロケが、今、はじまる!
最初に向かうは「沖縄師範健児の塔」。
ミッションスタート前から心霊写真がバンバン撮れるボーナスステージ。
特に2枚目のやつは人の顔っぽいものも確認できてヤバみがエグい。
というか、納骨堂がほんとに雰囲気やばくて草。
近くに川でもあるのか、ずっと水滴の音がぴちゃぴちゃ鳴ってる。
記録されたのは男性の叫び声のような音。
獣の鳴き声のようにはあまり聞こえない感じ。
「神の領域」
2年前にも訪れた某巨大廃ホテル。
大作家・平山夢明はこう語る。
「あそこには龍神の通り道がある。幽霊を祓えるやつはたくさんいるが、神罰に抗える人間はこの世にいないんだよ」。
愛人とイチャイチャしながら語る平山。
そうだ。
よくぞ言った平山。
新耳Gメンには呪いなど生ぬるい。
神罰こそがふさわしいのだ。
さすがは天才エロジジイ、慧眼である。
さらに提言はつづく。
「バブ酒のなかにわらびん入れてよ、それを飲みながら島唄歌ってこい」
平山の無茶振りに普通にキレる山口P。
心霊とか呪いよりも雑菌が気になるギンティ。
最近の新耳Gメンはたるんどる。
果たして、おじさんたちはミッションを無事にやり遂げることができるのか?
やり遂げたとして生命の保証はあるのか?
「すすり泣く家」
次に向かったのは「福の神の家」。
廃墟となった部屋に描かれた壁画。
その女が笑うのだという。
おじさんたちは決死の潜入を試みる。
壁画は普通に怖いなこれ。
ただこれ、元からあったんじゃなく廃墟になってから描かれたらくがきと覆われる。
思われるが、ほんとに怖いなこの絵。
単純に「目力」がつよくて謎の威圧感がある。
この絵の前で一人は、わたしには無理だな…。
「幽霊タイム」
別の沖縄ロケで同行したというマイクロバスのドライバーに紹介されたタクシー運転手。
彼は100%幽霊に遭遇できる場所を知っているのだという。
ただし、幽霊は時間によってあらわれる場所が変わるのだという。
おじさんたちはドライバーに案内され「轟壕(どどろきがま)」に潜入。
さらにつづけて、前日に訪れていた「健児の塔」にもカメラを設置する。
いやこれ、めちゃくちゃすごい映像なのでは?
よくあるオーブの映像。
なんだけど、動きかたがちょっとありえない。
かたちが変わったり、合体しては分裂したり。
明らかに虫や埃、人工的なライトの動きではない。
仕込みの可能性を疑うにしても、たとえば現場に埃なようなものを撒いたとして、風のちからだけでああいう動きがつくれるようには思えない。
つづいて映像加工の可能性についてだが、仮にCGを飛ばすとして、こんな動かしかたをするだろうか?
少なくとも、わたしが映像の加工を依頼されたとして、こういう動きにはしないし、できないと思う。
「いかにもオーブっぽい加工をしてくれ」と依頼されて、ああいう動きをつくってくる人間がいるとすれは、そいつは天才の類だと思う。
(それに、仮にやったとしてクライアントOKは出ないものと思う)
いやぁ、これはお見事な映像。
<総評>
いつもは心霊部分のほうがしょっぱいシリーズだが、今回はお見事。
まぁ声とか音のやつはいつもながら微妙だが、ラストの映像については、ちょっと文句のつけようがない。
あれは「つくりもの」と言われたほうがびっくりするレベル。
一方、今回はおじさんたちのがんばりも光った感じ。
というかカメラ越しに現場のヤバさが伝わってくるレベルだったので、実際の現場はとんでもなく怖かっただろうことが容易に想像できる。
平山夢明に山口Pがブチギレたのも頷けるやつ。
2024ー旧020