ここまで起承転結が気持ちいくらいの映画はなかなか無い。
掴みが素晴らしい。
祖父について調べるため 知人にインタビューするも「臆病なやつ」「乱戦時には逃げる」と忌み嫌われていた祖父。
知人を総当たりしていくうちに、祖父の人物像の解像度が次第に高くなっていき...
真相が分かった後のオチがとても綺麗
伏線を敢えて回収しないのも粋だった
「あの時代、一人一人にそんな物語があった。みんなそれぞれ胸に秘めて、何事もなかったかのように生きている。」このセリフで祖父のことを思い出しました。
祖父は、2年前に他界しました。
生前私に「何が何でも生きなさい」とよく言っていました。
祖父(15歳)は名古屋大空襲の際、家の目の前に焼夷弾が落ちてきましたが、幸いにも不発だったという話を耳にタコができるほど聞かされました。
その後、祖父は母親に対して「軍に志願するんだ!」と言ったところ「命を粗末にするな」と人生で一番怒られたと 笑いながら話していました。
もし焼夷弾が爆発していたら、不発だとしても家に落ちていたら、もし軍に志願していたら...
私はこの世にいません。
もう生の声を聞ける人は少なくなっています。
祖父にもっと戦争のことを聞いておけば良かった。そう感じます。
世界情勢が不安定な今だからこそ、もう一度過去から学ぶべき時なんじゃないかなと思います。