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最後の日々 生存者が語るホロコーストのkurikintonのレビュー・感想・評価

3.7
ホロコーストの映画やドキュメンタリーはいくつも見てきた。その度に、ナチス側とユダヤ人側とドイツの民衆が、どういう気持ちだったのか、どういう感情だったのか、心を巡らせてしまう。

一人一人は、普通に家族や友人と暮らしてきた人なわけで、どうしたらこんなむごいことが当たり前になってしまうのだろう。想像してみるけどいつもわからないまま。

「なぜ逃げなかったのかよく聞かれるけど、一気に起きたわけじゃなく、少しずつ小さな規制が増えていったの。」という女性の言葉が印象に残った。

危険かも、と気付いた瞬間には家を追い出されゲットーに閉じ込められ逃げられなくなり、ブドウ畑の仕事に行くと思って、戦争だから旅客車両がないからだと自分を納得させるように家畜車両に乗り、ドアが開いてようやくトイレに行ったり食事ができるかと思ったら、家畜のように扱われ死ぬための施設に放り込まれる。
数ヶ月前までお気に入りの水着でプールで遊んでいた少女が。

髪を刈られて囚人服を着せられた姿の娘を見たお父さんの気持ちを想像すると…言葉にもならない。
死はもちろん怖いけど、人間の尊厳を奪われるような場所で毎日生きなければならないなんて。どういう気持ちで暮らしてたんだろう。

アウシュヴィッツはいつか人生で訪れないといけない場所だな。
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