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人間椅子のNMのレビュー・感想・評価

人間椅子(2006年製作の映画)
2.0
乱歩ワールドが好きな人に。
ただしストーリーは原作とはかなり異なる。

最初に出てくる、生きるためだけのドリンクが気持ち悪過ぎて強烈なインパクト。

意外としっかり作られているところもあり、会社に貼られているポスター等は本物。備品やチラシの業者なども実在。

一方で、作家の机の周りをこんもりと取り囲むように積まれた原稿などはマンガのよう。と言ってしまうと全てマンガのようではある。

おかしな人は一人ではない。
ファッション誌から文芸に来た軽そうな若い編集者も、明るそうに見えて何やら怪しげな行動をしている。

彼らの生態が少しずつ明らかになっていく。

作家・今野の部屋には椅子がたくさんあり、テーブルはないようだ。飲み物は木のスツールに置く。
それらは打ち合わせするにも問題ないし、時には壁として閉鎖空間を作ることもある。

分かったふりをしたいのは山々だが、正直入り込めなかった。奇妙な世界に入り込むまでの経緯はもう少し丁寧に時間をかけても良いかと思う。やはりすでに乱歩の世界観を理解している人の方が楽しめるだろう。

上司のセクハラを交わしたり受け入れたりするのに何の抵抗もなく、流石に不自然に見えた。
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