くじら

トランセンデンスのくじらのネタバレレビュー・内容・結末

トランセンデンス(2014年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

字幕版で試聴。
 ジョニデが出ているせいか、ナノ粒子で物が治ったり雨に混じったりする描写を見てファンタビを思い出した。

あらすじ
 人工知能の天才科学者ウィルは公演後、人工知能に反対する勢力に撃たれ、弾に仕込まれた毒で数週間後に死ぬことに。妻のエヴリンと友人のマックスとともに死ぬ前に自分の思考を人工知能に入れることに。その最中にウィルは死亡。人工知能は失敗かと思われたが、何とか成功。
 マックスはその起動した人工知能がウィルなのか疑問に思い止めようとするもエヴリンに追い払われてしまう。マックスは反対勢力に捕まり、エヴリンは反対勢力が止める前に人工知能をネットに繋げて逃げる。
 エヴリンたちは寂れた街にラボ?を作る。ナノテクを活かしウィルは人の怪我の治療を行い、また生身でエヴリンに触れるため治療した人の身体をネットに繋げて話しかけてくる。身体をのっとって話している状態がエヴリンには受け入れられず、2人の間に溝ができる。
 一方かつて研究仲間だった生き残りと軍は反対勢力と手を組み、ウイルスを使って人工知能を無効化しようとする。
 ウィルのことが信じられなくなったエヴリンは逃げ出したところを反対勢力たちに連れられ、ウィルを止めるためのウイルスを自分に打ち込むことにする。
 戻ったエヴリンを迎えたのは再生した身体のウィルだった。エヴリンはウイルスでウィルを止めるため自分をネットにアップロードするように言うが、すぐに同意しないウィル。待ちきれなくなった反対勢力や軍が攻撃を開始し、エヴリンは重傷を負う。ウィルはナノ粒子で攻撃を止めるも殺さなかった。最後にナノ粒子で世界をより良く改善するのは、君の望みだったろと言ってエヴリンのウイルスを受け入れて2人とも亡くなる。
 遅れてやってきたマックスが目にしたのは寄り添うように横たわる2人の遺体だった。
 そして冒頭のマックスに戻る。その後ウイルスによって世界は停電に見舞われ、結局全ての電化製品は使えなくなってしまった。しかし2人の家の庭を訪れたマックスはひまわりが咲いているのを見る。その下にたまる水は…。

感想
 人工知能と反対勢力はまぁよくある描写だと思った。ただ反対とか完全に人工知能を廃止させたという結末ではなく、あの2人の願いがどこかに生きている世界なのかなと思った。
 あと、人工知能になったウィルは本当のウィルだったという描写が良かった。人工知能は効率を重視して人の感情の複雑さは理解できないという発言や、人工知能のウィルもエヴリンの感情をバイタルデータで把握しようとしていたことから、人間ではないもの、神になったのかと思って見ていたが、たぶん論理的なところはもともと科学者のウィルが持っていた性質なのかもしれないとも思った。雨に含まれたナノ粒子も、人を支配するためではなくもともとはエヴリンの願いからだったのも、ウィルを構成する大切な要素で、2人の絆だったんだと思った。
 まぁ生きていく人間たちに同意を取った訳ではなく勝手に世界を作り変えたのならちょっと賛成はできないけど。
くじら

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