このレビューはネタバレを含みます
物語の後半にて、ボストン市警巡査部長のトミー(マーク・ウォールバーグ)が同市警警視正のビリー(ジェームズ・コルビー)から受けた問いへの答えに感銘を受けた。
ビリー:「防げたと思うか?」
トミー:『7年前、妻が不妊症だと言うことを知った。
病院の帰り、家の前で遊ぶ近所子供たちを俺たち夫婦は放心状態で見つめた
妻は泣き声というよりも深い音を発した。
泣き声とは全く違うものだった。
そのとき彼女の目にあったのは苦痛というより戦いだったと思う
目の中で善と悪が戦っていた
神が悪魔と戦うように。
俺は彼女を抱きしめた
そして今日もそれと同じものを見た
善と悪、愛と憎悪の戦いを
悪魔と戦う武器はひとつしかない
それは愛だ
悪魔は愛を奪えない
犯人を追いつめて殺しても
傷は癒えない
防ぐのも無理でしょう
互いに抱き合い
愛の力で戦うんです
そうすれば悪に負けない』
ビリー:『やっぱりお前は心の底に美しいものを隠してたな』
この会話のやり取りと同時にボストンマラソン参加者や捜査関係者が家族と再開する場面が描かれており、どれも愛を確かめ合うシーンの連続でそこも良かった。
この事件について詳しく知らなかったが、街中に潜むテロ事件がこれほどまでに恐ろしいものなんだと再認識した。
主演のマーク・ウォールバーグをはじめ、FBI捜査官のリックを演じたケヴィン・ベーコン(サイコな悪役がとても似合う)、ウォータータウン警察巡査部長を演じたJKシモンズ(渋い)、トミーの妻役のミシェル・モナハン(Miシリーズでおなじみ)と総じて派手さはないものの豪華俳優陣。
監督はキングダム/見えざる敵やウインドリバー等スリリングな銃撃戦がお得意のピーター・バーグ。
良作でした。