Yoshishun

レッド・ドーンのYoshishunのレビュー・感想・評価

レッド・ドーン(2012年製作の映画)
2.6
“本当に占領されてるの?”

「北朝鮮、アメリカ全土占領」

という、誰が見ても突っ込みそうな宣伝文句はさておき、本当に北朝鮮に占領されたアメリカで、領土奪還のために立ち上がる若者たちを描いた戦争アクション。
リメイク元の『若き勇者たち』は、ソ連含めた共和国軍が占領し、本作は元々中国に占領される予定だった。しかし、それが国際的に問題となり、最終的に北朝鮮に変更するに至ったという(なんのこっちゃ)。

全編通して北朝鮮による侵攻はかなり馬鹿馬鹿しく描かれており、北朝鮮兵士のパラシュート下降や戦闘機による襲撃の絵面の馬鹿さ、せっかく敵の民間人を見つけたのに一向に撃とうとせず追い掛けた先で蜂の巣にされる。アメリカ全土占領という割には、アメリカの若者たちの視点で描かれているせいで、かなりミクロな侵攻に見えてしまい一気にスケールダウン。その癖、真っ昼間に自家用車で走行しても全く襲撃されない軍事体制のガバガバさ。そもそも何故いとも簡単に武器を調達できてしまうのか、武力が衰えているとは到底思えない現実感の無さが致命的だ。

夜間の戦闘描写はいつどこから襲撃されるかわからない緊張感があり、戦争映画としては粗はあれど、傭兵アクションとしては及第点か。結局はどんなにぶっ飛んだ設定だろうが、アメリカ万歳!アメリカ最強!な愛国心に塗れてむしろ気持ち悪さすら感じるしかない。
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