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ハダカの美奈子のblacknessfallのレビュー・感想・評価

ハダカの美奈子(2013年製作の映画)
1.8
"痛快!ビッグダディ"見てたんだよ。林下家が奄美に移住したあたりから、で、テレビの演出にまんまと騙されてビッグダディのこと尊敬すらしてたんだよぉ、「子供のことよく見てるな」「出戻った奥さんを受け入れるなんて器デカイな」とか思いながら。
それが、虚像であることが白日のもとに晒されたのは美奈子がダディと結婚してからだよね笑

前妻の佳美さんと違って勝ち気で物をハッキリ言う美奈子がダディにダメ出しして、ダディが大人とは思えぬ不貞腐れ、逆ギレして、すっかりプライドが高いだけのダメ親父だってことがバレ、逆にそのヤバさが悪趣味な好奇心の対象になり、このシリーズは局の看板番組になったよね笑

自分としては騙された者の責任と反省の思いからビッグダティ・シリーズ全部見たし、この映画の原作本も買ったし(BOOK・OFFで)、ダディの本も買ったり(やはりBOOK・OFFで)してるから、ファンと言うかマニアなんだよ笑

原作本に書かれてる美奈子の半生はかなり壮絶で、若い時からやたら周りの人が死んでる。
まんまやるとそーとーハードな感じになるからそこをどう画くのかに注目してた。

でも、この映画は原作本とは全然内容違うんだよ!タイトルは同じなのに笑
美奈子がビッグダディと離婚して10年後って設定で物語は始まる。

美奈子が老人ホームのヘルパー、長男のシオンはどっかの牧場勤務、長女のノエルは東京でグラドル、次女キララと三女のライムは地元の高校生になってる。
要するに架空の未来日記と言うか、コミケの薄い本的と言うか笑

前半は主に次女キララの視点から語られる美奈子とその子供達の日常が画かれる。
美奈子は子供達にも好かれ、老人ホームでは同僚や利用者のご老人からも好かれまくるカリスマお母さんって感じに演出されてて、いくらなんでも上げすぎじゃないかと思ったけど、でも、人の懐に飛び込むのは巧みだからこそ、変則的ルートでスターになれたのかと思うと妙に合点が行ったりもした笑

それより、子供達ね。架空の設定とは言え、実名でやってるのに、これは如何なものかと思うとこがいくつかあった。
ノエルはグラドル活動に行き詰まり美奈子の家に帰ってくる。借金を作り、妊娠までしてる。
そんな状態なのに危機感のまるでないノーテンキでアーパーな性格にされている、、リアルの本人はこの映画当時小学校高学年なわけだし自分がこんな風に画かれてたら傷つくんじゃないかと、、

その他、三女なんかもいじめられてたりして、美奈子の母としての見せ場を作るためとは言え、実名でやるのは子供達のために良くないんじゃねえかと心配になった、、

そんな実録なのに架空の日常を観るという、どんな感想も持ちようのない描写が続き、話はクライマックスである長男シオンの結婚式に。
ここで驚きなのがシオンの嫁さん役がリアル美奈子本人なんだよ!
息子の嫁さん役やるってどんな神経してんのかと思ったよ笑
キス・シーンもあったし、これ、長男が観たら気持ち悪くなるんじゃないかな🤢

なんか、この映画、キモいと言うか、色々エグみが強すぎるんだよ。
ストーリー自体は穏当な子沢山シングル・マザーのハートフルコメディで、実際そんな風に撮ってるから。
でも、美奈子の実録ストーリーってベースがあるから、そこでかなり映画がアンバランスになってる。

その最大のエグみは美奈子のベットシーン。
回想で挿入される美奈子がビッグダディと夫婦になる流れでのベッドシーンなんで、当然相手はビッグダディ。このダディ役の人がそこそこ本人に似てるから何とも心がざわつくんだよ笑
あと、美奈子役は中島知子なんだけど、ちょうど洗脳騒動の後で干された状態だったためか、このベッドシーンではガッツリおっぱいを見せるし、ハードな絡みも披露。何か騒動のダメージを吹っ切るかのような力の入りようで、妙に切迫感があって怖かった、、

ビッグダディも美奈子もある意味スキャンダラスの人達で、そこにさらにスキャンダラスな中島知子が需要があるとも、意義があるとも思えない捨て身の演技という。なんか、種類の異なる猛毒を一緒に嗅がされたような毒気に襲われた笑
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