ミナカ

300 スリーハンドレッド 帝国の進撃のミナカのレビュー・感想・評価

4.9

2回目鑑賞。アマプラにて。

1回目と2回目でこれほど印象が違う映画も自分の中でかなり珍しいです。

め、めちゃくちゃ面白いじゃないか!

1回目は脚本の弱さを感じたりとか、主役が敵キャラに完全に食われてたりとか、どうしても前作と比較してしまうんですよね。今思えば続編という概念に、どれだけ無意味なフィルターを自分自身ではめこんでいることか、、、

まずは圧倒的な映像美!音像美!!!

前作で確立した世界観や手法は、7年という歳月が熟成させたテクノロジーの進化も相まり、とてつもない領域にまで達してます。

前作は戦闘民族サイヤ人にも似たスパルタ人がメインだったが、今回は民主主義の礎となったギリシア人が主役。

主人公のテミストクレスは軍人でもあり政治家。パワーゴリ押し一辺倒ではないスタイルが、初見では地味さを感じてしまった。しかし家族や祖国を守るために民衆の支持を集め、団結させる術を心得る彼はまぎれもない策略家であり、前作にはなかった彼の存在感や雰囲気に、とっても共感させられます。

そして敵のアルテミシアが凄い。パンフレットの紹介を引用すると「妖美で高い戦闘能力を持つペルシアの女指揮官。冷酷度500%の超魔物」ってなんだよ!!www
テミストクレスとは対照に、復讐のために戦闘マシーンと化したアルテミシア。この振り切れ具合、ヤバいっすね!

殺陣は300シリーズお得意の、スローモーションと高速カメラを使い分けるショットは、前作から大幅にパワーアップ!特に終盤のワンカメで敵隊に突撃するシーンは、身体中の穴という穴から何かが噴き出るような感覚に陥りました。血はドバドバ出るし、腕や足は切断しまくるし、たぎりますね!カメラに鮮血が飛ぶのがカッコいい!

アルテミシアとのセックスシーンも凄まじい。この映画を持ってアクション映画を楽しむコツは、ツッコミどころを如何に無視してその世界感に没入できるかという事を学びました。なんで司令官同士が絡んでんの?的な疑問は全くもってどうでもいいことで、とにかく没入せよだ!話しは戻りますがこのセックスシーン、まずBGMの選曲がおかしい。とてもラブシーンとは思えぬ殺伐としたチョイスで振り切れまくってる。そして肝心の本番はBGMと同じくまるで殺し合いのようだ!いいな!めちゃくちゃいい!こんなセックスしてみたい!!!とか思ってしまう私の頭も相当イカれてるんでしょうか。_φ(・_・

前作にはなかった点として、アンセム的なポジションのBGMがある。トルコの弦楽器(?)を用いた耳に残るリフレインは、形は違えどダースベイダーのあのテーマ曲を想起させられる。
他のBGMも最高にカッコいい。パンクともメタルともオペラとも違う、実にオリジナリティ溢れる猛々しい旋律と音圧で、腹と魂にズシリと響く。ドローン(持続音)の使い方も実に上手い!ここでギターソロとか入ってきたら萎えるんだろうけど、ほんと製作者側は気持ちいいとはなんたるかを熟知してるなぁ。もはや天晴としか言いようがないです。

そしてエンドロールではまさかのサバス!!!!極端にブーストされて空間処理されたロー音域が圧倒的!!!ここで完全ノックアウトされてしまいました。

墓場まで持っていく体験となりました。す、すごいぞ帝国の進撃!!!!!
ミナカ

ミナカ