たなきなや

インセプションのたなきなやのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
4.6
ノーラン監督はすごいよ。

夢ってのは誰もが常日ごろから見てるものであり、それをSFとして、我々に納得させるような展開で作り上げるもんだから。
インセプションを鑑賞する前に…夢の中で夢を見たこともあるし、授業中に居眠りこいて突然高いところから落ちたかのように目を覚ましたこともある。
そんな多くの人が経験したあるあるを、重大な任務にしてしまうだなんて。

この映画の面白いところは、夢というのは、自分が普段は考えないようにしている脳の思考とは違う部分を無意識に投影してしまう。という描写を描いてるところ。
自分は初恋のあの子のことなんてもう好きじゃない。と既婚者の男性は思ってるであろう。でも違う、頭のどこかでは少しだけ思っていて、それがふと夢に出てきてしまう。そんな夢の中、すなわち自分の頭の中に他人が入ってきたらめちゃくちゃ嫌だろう。
しかもそれが上手いように操れる…と思いたいところだけど、そう簡単にはいかない。
今作の主人公チームがやっていることはかなり難しいことで、それだけ人間の頭の中というのは繊細なんだろう。
確かに重要な夢を見ても次の日にはすっかり忘れてるし、所詮夢なんてものはそういう儚いものに過ぎない
そのインセプションの難しさが面白いところであり、、ときに悲劇も生み出してしまう。

僕は夢じゃないと思うなぁ。
夢から覚めたんだよ。何だかんだ現実主義だもの、彼は。
たなきなや

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