バス釣り太郎

ホドロフスキーのDUNEのバス釣り太郎のレビュー・感想・評価

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
4.7
本命はリンチ版じゃあなくこちらの再鑑賞。ホドロフスキーの映画は大好きだけど、それ以前に彼自身がめちゃくちゃ推せる人間なことがやっぱり嬉しい。お前絶対盛ってるだろっていうエピソードトーク(あそこまでこぎつけていること自体人間力のステータスがカンストしている)、嬉々として原作をレイプしてやったと語る姿、推せすぎる。

終始バッキバキのニッコニコで喋る彼が一瞬見せる悲しそうな表情…頓挫した時の心中は計り知れないけれど、彼みたいな芸術家にとっては実現不可能と思われる野望を持つこと、そしてそれを可能に持っていこうとするプロセス自体に意味があるのだろうと想像。完成していた世界線も喉から手が出るほど見てみたいけど、それこそリンチ版を超える失敗作になっていた気がしなくもないのでこれが正解ルートだったと思いたい。未完成だからこその永久不滅性、影響力。

そして私はメビウスの絵コンテをこの目で見るまでは死なないと決めているのです。最近仮想通貨グループがオークションで買い取った(3億5000万)らしい。権利のことはよく分からないけど是非とも公に読めるようにして欲しい。それにしても、名だたる才人たちがそんなにまでして映像化したがった原作を俺はいったいいつ読むのだろうか…