なお

マッドマックス 怒りのデス・ロードのなおのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

「マッドマックス」シリーズ第4作。
なんともしょっぱい出来になってしまった『サンダードーム』から27年ぶりの新作となった。

監督兼脚本は過去3作と同じジョージ・ミラー。
主演はトム・ハーディにシャーリーズ・セロンなど、現在もハリウッド映画界で活躍するスターたちが名を連ねた。

✏️remember me?
いや~~~。紛れもなくシリーズ最高傑作です。
当時これを映画館で見られた人は見てない人に自慢していいレベル。

かの「北斗の拳」に影響を与えた退廃的かつ終末的な世界観を、当シリーズが製作された1970年代後半~80年代初頭では実現できなかった撮影技術で、マッドマックスの世界を正当な方向へグレードアップ&パワーアップ。
最初から最後まで手に汗握り、スクリーン(といってもアマプラなので自宅のちっさいTV画面だが)にかじりついて鑑賞してしまった。

作風としては、「血と汗と涙、土煙と汚泥、そして硝煙にまみれたデス・ロードムービー」。
無駄なシーンが一切ない圧巻の作り。2時間強に込められた圧倒的ボリュームと大スペクタクルを堪能できる。

主人公は過去3作から変わらず、元警官のマックス。
前作から27年もの時が経っているので、彼を演じる俳優こそメル・ギブソンからトム・ハーディへとバトンタッチされたが、寡黙で粗暴、だが強きをくじき弱きを助ける「マックス」というキャラクターの魅力は変わっていない。

そんなマックス、「仁義なき戦いに巻き込まれる」という宿命も、時が経ってもやはり変わらない。

本作最大のヴィラン、イモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)率いるスケキヨ軍団…もとい「ウォー・ボーイズ」との壮絶なカーアクションは本作最大の見どころ。
ってか本作の7割くらいがその怒涛のカーアクションで占められてる。
(ちなみにイモータン・ジョーを演じたヒュー・キース・バーンは第1作で暴走族のリーダー、トーカッターを演じていた人。マジかよ)

マックスは道中、イモータン・ジョーを裏切った女戦士・フュリオサ(シャーリーズ・セロン)とも利害の一致から共闘。
フュリオサだけでなく、彼女が連れてきたブリーダーズ(交配して子を産ませるためだけの女性)とも徐々に信頼を築き、死線を潜り抜けていく様は何とも痛快。

また途中で仲間になる老兵──フュリオサと同郷の老婆たちや、ウォー・ボーイズの一員であったが考えを改めマックス一行に加わったニュークス。
映画のセオリーでいえば彼らは自らを犠牲にして死んでいってしまうのが常。
しかしそんな「お約束」に持っていくまでの物語や動線みたいなものがしっかりしているので、しっかり感動できる。

自分が一番心震えたのは
「remember me?」
イモータン・ジョーに引導を渡す際のフュリオサの一言。

5月31日公開『マッドマックス:フュリオサ』の予告映像でもアニャが言ってましたよねこのセリフ。
いや~。そういうことかとマジでシビれました。

当時このスピンオフまで意識して作ったかは分からないけど、5月31日が楽しみで仕方ない。

☑️まとめ
本作は第88回アカデミー賞で10部門にノミネートされ、最多6部門(音響編集・録音・美術・メイクアップ&ヘアスタイリング・衣裳デザイン・編集)を受賞。

名実ともに「マッドマックス」シリーズ史に残る傑作となった。

余談だが、フュリオサを演じたシャーリーズ・セロンの坊主頭はカツラではなくなんと地毛!
坊主頭でもやっぱ美人さんは美人さんですな…

<作品スコア>
😂笑 い:★★★☆☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★★★
📖物 語:★★★★★
🏃‍♂️テンポ:★★★★★

🎬2024年鑑賞数:41(20)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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