まほむらん

思い出のマーニーのまほむらんのレビュー・感想・評価

思い出のマーニー(2014年製作の映画)
4.1
寂しさに負けてしまいそうな時、自分だけの秘密の友達がいたら、ーーそんな、「かつて」を思い出してしまいます。 米林監督の2本目の作品。否応にも巨匠と比較されてしまうプレッシャーの中で、新しい答えを確立された印象です。変わらずに、食べ物の描写が秀逸な一方、いつもの「がっついて食べる」場面はありません。でもそれが却って日常茶飯に感じられました。異世界のリアリティを描いてきた今までと違い、視聴者と地続きにある夢物語を。それがしっかりと描かれているからこそ、少女の寂しい思い出が、一つの真実となって現在を変えていく。美しい話だと思いました。 既に自分の中で答えが出ている問題であっても、背を押して欲しい時は誰にでもある。ラストシーンで呟く何気無い一言に心を揺さぶられます。あと、トマトが本当に美味しそう。
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