元電気技師で労働組合の指導者からポーランドの大統領となったレフ・ワレサの伝記物語。
ちなみに実際ポーランド後ではレフ・ヴァウェンサというらしい。
ポーランドの歴史について明るくないので、全くもってこのワレサについて知らなかった。
当時のこの国の社会情勢や法律、そして警察についてもっと詳しければさらに深く楽しめるとは思うのだが、無知な私でも少しばかりワレサの信念や哲学を垣間見れることのできる。
作品としてのメリハリをつけるためなのか、海外記者によるインタビュー場面を挟み込み、過去と現在を行き来することは分かりやすい作品にするために必要だったのかもしれないが、個人的にはこういったインタビューシーンなしでワレサの世界を見せたほうな入り込めたのではないかと思う。
勢いのある指導力で、逮捕と釈放を繰り返し、自由を勝ち取っていくワレサの姿は感動的ではあるが、むしろ私はこの表面的活動の裏でワレサの家庭人としての姿を、もっともっと重点的に見せてくれた方がより見応えを感じたかもしれない。
期待したほど感動的!というわけではないがさすがポーランド人の巨匠が作り出す伝記。
魂の込め方はしっかりと伝わる。
同時に日本には未だにこのようなカリスマ的指導者が現れないのだという事実に少し悲しくなってしまいます。