まーしー

バウンドのまーしーのレビュー・感想・評価

バウンド(1996年製作の映画)
4.0
『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー姉妹の監督デビュー作。
隠れた良作だと断言できる一本。

本作は、以下の3人の視点で物語は進行する。
・出所間もない女性コーギ
・コーギの働き場の隣室に住むマフィア幹部シーザー
・シーザーの娼婦ヴァイオレット

ある日、シーザーから大金を盗もうとするコーギとヴァイオレットの女性2人。
その筋書きは、大物マフィアの息子ジョニーを、大金を盗んだ犯人に仕立て上げるというもの。
シーザーが嫌っているジョニーは、犯人像にぴったりのキャラクター。
そして、女性2人の思惑どおり、シーザーはジョニーを犯人と思い込むが……少しずつ計画に狂いが生じ始め……。
この二転三転するストーリーが秀逸。登場人物の視点を変えつつ、警察官やマフィアの来訪など、ところどころに緊迫感あふれるエピソードを挿入している。

マンションの一室を舞台にしながら、ここまで話を拡げられるところがすごい。
だからと言って話が散漫になっていない。「大金を盗んだのは誰か」のワンイシューで勝負している。
ウォシャウスキー姉妹の才能が光っていると感じた。

決してメジャーな作品ではないが、多くの人にオススメしたい作品。
興味のある方はぜひ。