かわだ

マスター・アンド・コマンダーのかわだのレビュー・感想・評価

4.5
美しい冒険映画だった。個人的にめちゃくちゃ刺さった。
観てたら海底二万里とかパイレーツオブカリビアンのような海洋冒険ものに憧れてた子供の心に戻ってた。

時はナポレオン戦争時代。イギリス海軍の帆船サプライズ号とフランスの私掠船アケロン号の戦いの物語。
敵や過酷な自然との戦いだけでなく、艦長と軍医の間の友情や少年士官候補生の成長など、人間ドラマも良い。
途中立ち寄るガラパゴス諸島の自然や生き物も美しくて目が癒される。
かと思えば、大きさや速度、大砲と船員の数など全て上回る敵の私掠船をどう狩るのか、戦術や戦闘のシーンもしっかり盛り上がりがあって、戦争映画としての見どころもある。
文句なしに面白かった。

そして、パイレーツオブカリビアンでは描かれなかった、帆船での航海や戦闘のディテールを余すところなく見せてくれた。
船上ではろくな医療を施せないから、病気に感染して死なないよう、多少の傷でも容赦なく手足を切断する過酷な描写や、船を破壊されたら船員達がノミとミノで即席で船体を修繕する描写、砂時計とロープの結び目(ノット)を使って速度を測る描写(速度の単位のノットってこれが語源なんか!)など、細部まで面白くて飽きることがない。

ラッセルクロウの艦長役もすごく良かった。
皆を生かすために一人を見捨てなければいけなかったり、敵に対する戦術や自然への対応について、判断が一つ誤れば全員が死ぬ可能性すらある。
そんな重責の中で苦悩しながらも船員を鼓舞し、規律を保ちながら任務遂行していく姿がめちゃくちゃカッコよかった。士官は皆エリート教育を受けているようで、弦楽器まで華麗に奏でることができる笑 腕っぷし艦長が艦長室では繊細にバイオリン弾いてるのも好き。
かわだ

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