爆裂BOX

オープン・グレイブ ー感染ーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.8
死体の山の中で目覚める男というインパクトあるオープニングで始まる本作。最初に情報聞いた時はインドネシアの似た設定の映画のリメイクかと思ったんですが、違ってたんですね。目覚める時の「ポキポキパキパキ」と体の骨が鳴る所妙に印象に残りますね。
死体の山で目覚め、記憶喪失の男。辿り着いた家には同じく記憶を失った男女、唯一真相を知っているらしいアジア人女性は喋れず言葉も通じない、周囲にはゾンビの様に理性の無い狂人達…と謎めいた設定が盛りだくさんです。
邦題でネタバレしてますが、「28日後...」の様なウィルス感染者映画なんですね。ただ、感染者との戦いではなく、自分が何者なのか分らない主人公達の心理描写とミステリーに重きを置いています。
自分が何者なのか分らない人達が主人公なので今世界がどうなっているのか、彼らはどういう関係でここはどこなのか、あらゆる情報がシャットダウンされているのがミステリーの空気作りに上手く作用していると思います。
主人公にシャールト・コプリーはハマリ役でした。善人も悪人も演じられるだけにふとした表情がどちらともとれて主人公は善人なのか大量殺人者のマッドサイエンティストなのか最後の方まで分らなくさせます。主人公に不信感を持つ初めはリーダー的に振る舞ってたトーマス・クレッチマンが徐々に壊れていく所も良かったですね。ヒロインのシャロンを演じたエリン・リチャーズどこかで見た事あると思ったら「ゴッサム」のバーバラ・キーン役の人でしたね。
狂人達の描写もゾンビの様に唸りながら襲ってくるという訳じゃなく、助けを呼んでおびき寄せたりどこか人間臭い所が新鮮でした。森の中で斧で木を切ってる集団に出くわす所は何か不気味でしたね。
クライマックスでのネタばらしはそれほど衝撃は無いですが、中々上手いと思います。もうちょっと上手い対処法考えておけよとも思いましたが。後、射殺される所に駆けつけた後ネイサンが主人公の○○だったと思いだす所切なかった。
最後、シャロンが託したメモに気づかず踏みつけてしまう所も切ない。シャロンは目覚めなかったからもう…ラストの何処までも続く死体の山は中々強烈に印象に残りました。絶望的な感じだけど、今度は「18日」の期限無いから記憶取り戻したらワクチン完成させることできそうだな。
監督は続編撮りたいようですが、ネタが割れてるから次からは普通に亜ゾンビ映画になりそうな気も。
ミステリアスな終末映画で中々楽しめました。