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怪談新耳袋 殴り込み! <東日本編>のエブリデイねむろうのレビュー・感想・評価

3.5
実話怪談集「怪談新耳袋」の制作スタッフが怪談で語られた場所を実際に訪れて検証を行うという心霊ドキュメンタリー第3弾。
監督:豊島圭介

「踊り場の黒い影」

実話怪談集「怪談新耳袋」をベースにした再現ドラマを収録したDVD。
そのなかの「記憶」という作品に映り込むはずのない人影が映り込んでいた。
その謎を解明すべく新耳Gメンたちは静岡県にある廃墟へと向かうのだった。

というわけで、この映像はYouTubeで一度見たことがあったのだが、確かにおかしい。
ドラマの撮影中であるということと、影自体が移動している様子もはっきりわかる。
大きさ的に子どもであろうということまで推察できるTHE 心霊映像。

そんな映像にあらわれた少年を呼び出したいというGメンたち。
新メンバーの「元・ホスト」という経歴を活かし、撮影された踊り場でシャンパンコールを行いお客さま(霊)に出ていただくという作戦を決行。

子どもにシャンパンコールわかるのかな。

「こっくりさん」

おじさんチームが少年の霊を探し回っているころ、別働隊は教室に入ってこっくりさんを行っていた。
黒板にこっくりさんのルールを描くのはいいが、その横の女の裸の絵はなんなんだ。

内容は、おじさんたちがこっくりさんをやっています。

「いせを探せ」

こっくりさんが示した幽霊の存在。
東京にある旧Fトンネルにあらわれる「いせ」とは何者なのか。
Gメンたちは潜入を試みる。

トンネル内で響く謎の音。
スタッフのいたずらを疑う豊島監督。
前回の花火ドッキリをしっかり根に持っているようだ。

でも、この音は結局なんなんだろ。
番組内では女性の声ということになっているが、人の声にはあまり聞こえない。
トンネル内部の配管が軋んでいるというような感じにも聞こえなくはないけど、そういうのじゃない気がするんだよな、
トンネルの外からの音が反響しているようにも聞こえはするけど、そもそも音源がわからない。
なんかの動物の声かな。

「はじめての女性隊員」

本シリーズの大目標は青森県の八甲田山。
しかしその前に、青森の有名スポットに殴り込み。

ということで初の女性隊員いせが登場。
そしてこのあと、八面六臂の大活躍をみせるいせ隊員。
「傷物にされた〜」のくだりでアホほど笑ってる。

「墓地をさまよう人たち」

青森にあるという霊園。
仏舎利塔を目指しても無縁仏に出てしまうという曰くのある場所。
撮れ高は特になし。

「八甲田山と新耳袋」

「八甲田山雪中行軍遭難事件」。
日露戦争を間近に控え寒冷地における訓練の一環として行われた軍事演習。
しかし、準備不足がたたり210名の軍人は遭難。
生きて戻ったのはわずか17名。
うち6名も救出後に死亡。
生き残った隊員も凍傷により四肢を失うことになるという、世界でも屈指の雪山遭難事件である。

生き残った隊員たちの写真が出てくるのだが、これがなんとも生々しい。

「獅子一号作戦」

軍事演習のさなかに無念の死を遂げた英霊たちが眠る場所。
さすがに挑発するのはまずいとビビるGメンたち。

そうだ、軍人になろう!

軍人になりきって英霊たちに集合・解散の号令を発し英霊の姿をとらえる作戦。
それが「獅子一号作戦」である。

なにも起きないので「獅子二号作戦」。
新耳袋の原作を朗読し英霊たちを呼び集める作戦。
ミミズくんがかわいい。
こちらは謎の光源とブラックマヨネーズ小杉の声が収録されていた。

「死の雪中行軍」

ターゲットを後藤伍長に定めたGメンたち。
ここで決死の挑発行為を行うとのこと。
でもやっぱり怖いので、またも軍人に扮するGメンたち。

本作一番の不謹慎がここにある。

「別れ」

勇敢なるいせ隊員とのお別れ。
ほんとにちょっと悲しい。

<総評>

いい歳こいたおっさんたちが体を張った心霊ロケをやる。
心霊的な撮れ高はあまり期待していない構成である。
(というより撮れ高がなくてもおもしろくなるような構成になっている)
まぁ、ずっとそうっちゃそうなんだが。

実際、心霊部分については全体的にしょっぱめ。
基本的に風の音、動物の声に類するものがほとんどに思える。
最後の雪中行軍の定点も、ほぼ風と雪の影響がでかい。

いせ隊員はもうちょいこすってもいいとおもった。

おじさんたちの体当たりロケと編集でつっ走るゴリ押し心霊ドキュメント。

2024ー旧012