ゆみモン

雪夫人絵図のゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

雪夫人絵図(1950年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

旧華族信濃家の一人娘の雪(木暮実千代)は婿養子の直之と結婚しているが、直之は京都の愛人綾子を抱え、放蕩三昧の生活を送っていた。家に出入りする琴の師匠の息子・菊中方哉(上原謙)に想いを寄せる雪だったが、夫に離婚話を切り出す勇気がなく、直之の肉欲に負けてしまう。
父が亡くなり財政的に行き詰まってしまったため、雪は熱海で旅館を始めるが、そこへ綾子とヒモの立岡(山村聰)を連れて直之が姿を現した。

没落華族のおひいさま(お姫様)である雪は、自立する女にはとうていなれず一人では生きていけない。菊中を慕いながらも夫を受け入れる、煮えきらない女だが、この時代でこの育ちなら仕方ないのかもしれない。
しかし、雪を慕う菊中の態度も言葉も情けなくて焦れったくてイライラした。菊中がはっきりしなければ前へ進めないのに、雪に責任を押し付けようとする男だ。

最後は、立岡と綾子に旅館を乗っ取られてしまう。
スッキリしない人間が多く出ていた。この作品では悪いヤツを演じた山村聡、いいたいことをいう女中役の浦辺粂子は役柄のいい悪い関係なくよかった。

イライラモヤモヤしながらも、結局最後まで観てしまったのは、木暮実千代のなんとも言えない気高い美しさエロティシズムと、画面の美しさだろうか。