ジジイ

アクトレス 女たちの舞台のジジイのレビュー・感想・評価

アクトレス 女たちの舞台(2014年製作の映画)
4.0
ちょっとアホみたいな邦題だけど面白かった。18歳である舞台に抜擢されその後のキャリアを手に入れた女優が、20年後別の役でリメイクのオファーを受けるが…という物語。何と言っても女優(ジュリエットビノシュ)と付き人(クリステンスチュワート)の対等でクリエイティブな会話が面白い。破天荒な新進女優にクロエグレースモレッツ。






以下ネタバレです。







ジュリエットとクリステンはセリフのみ入れた状態で撮影前日にロケ地に入り、翌日全くの打ち合わせ無しに本番に臨んでいたらしい。劇作家ヴィルヘルムとマリアの関係は、そのままアサイヤス監督とジュリエットに置き換えられるし、マリアとヴァレンティンの関係もヘレナとシグリッドの二人にオーバーラップしてくる。「マローヤの蛇」はマローヤ峠のクネクネした谷間を蛇のように流れる雲の意味で、ゆっくりとしかし確実に流れていく時間を暗示しているようだ。マリアの葛藤は若さへの渇望と老いへの恐怖、また役を生きることへの厳しすぎるハードルにあるのだろう。だが本読みと二人の議論では終始ヴァレンティンの方に分があるように思えた。最終章のジョアンのスキャンダルは面白かったけど蛇足のような気もした。
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