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音楽のRIOのレビュー・感想・評価

音楽(1972年製作の映画)
3.8
三島由紀夫の「音楽」増村保造監督のとても文学的な表現
2人は同じ大学の学部で同期生だったそうです

麗子の虚言癖が彼女の世界に他人を引きずり込もうとする
俳優たちの滑舌の良さが妙でおっかないので文学より気持ち悪い感じがしました
女性の性に関わる大きな意識の深層に迷走する
虚構の薄皮を1枚ずつめくるように麗子の心の奥底が見えてくる

先生私は音楽が聴こえないんですという麗子の言葉から始まる
肉体の奏でる音楽
心理的なものと性的なるもの直結する部分

神聖への憧れを持ちながら生きていくうちに穢れてしまう
おぞましい暗い一面から怪物みたいな自分を囚われた意識から解き放す

肉体が持つ記憶はいつまでも鮮明に将来に渡って支配してくることが繊細に描かれている
麗子がいちいち自分で分析をするんで精神科の医師から素人の勝手な判断は止めなさいと怒られるのが何だか可笑しく観れました

空想・連想が常人ではない怪物クラス
超変態に見えてくるヒステリック過ぎる麗子とシンボリックな掛け合わせが私にトラウマを与えた
どうしてくれるんだぁ 冗談です
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