MATHILDA

Mommy/マミーのMATHILDAのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
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大好きなOasisのWonderWallを大好きなドランの映像と共に聴きたくて私はTSUTAYAに駆け込みました。
この大大大傑作のレビューをします。
Mommyで1番好きなシーンは?と聞かれたら大半の人がWonderWallのシーン、すなわち、スティーヴがスクリーンをこじ広げるシーンと答えるであろう。
無論、私もそうである。
ドランはWonderWallを最高のシーンでほぼフルで使った理由をこう述べている。
「そもそも、オアシスの”ワンダーウォール”はめちゃくちゃ良い曲なわけだから、思い出がない人っていないと思ったんだよね。それが、初恋の人とキスした瞬間でも、自分の部屋でベッドでひとりでヘッドフォンして爆音で聴いていた、でもいんだけどね。この曲は、人の心に深く何かしらの思い出を残す曲だ。少なくとも僕にとってはそういう曲だった。それで、僕にとって、音楽が流れる瞬間というのは、映画の中で唯一、観客が映画に自ら参加できる瞬間なんだ。
映画というのは基本的には、僕が描きたいことが発信されているわけで、観客は受動的だ。だけど、音楽が流れた時だけは、観客がその曲を聴いた時に蘇る思い出とそのシーンを重ねて、能動的な体験をすることができるんだ。だから、僕にとって音楽は大事だし、特別なんだ」
Oasisファンの私から言わせてもらうとスティーヴの咳払いから始まるWonderWallは息を呑むほど最高なシーンなのです!
それに加え、あの閉塞感の見せ方、アスペクト比の操り方。
脱帽ですよ、25でこれをやってのけたのですから。
Mommyがカンヌで審査員特別賞を巨匠ゴダールと共に受賞した時の25歳のドランの言葉。
「僕と同世代のみんなへ。誰もが自由に表現する権利があるにも関わらず、それを邪魔する人たちもいる。でも、決して諦めないで下さい。世界は変わるのです。僕がここに立てたのだから」
これだからドランは!
好きにならずにはいられないのです。
こんなに長々と綴ってきましたが、Mommyは私の心を強く揺さぶり、大きな影響を与えてくれた私にとって大事な1本だということです。
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