真昼の幽霊

クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落の真昼の幽霊のレビュー・感想・評価

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長女のヴィクトリアがこの映画の公開後にいじめを受けて薬物に溺れ、2015年に18歳で亡くなったと知ってびっくり…。映画の序盤では「典型的な金持ち家族の鼻持ちならない娘っ子だな」と思っていたのだけど、終盤に彼女が取るある行動はちょっと意外で、「なんだ、けっこうしっかりしてるじゃん」と思っていたので。

シーゲル家は金はあるんだけど(リーマンショックの前までだけどね)家が汚くて、なんだこの既視感…と思ったんだけど、そういえば自分の同級生にもこういう家があった。さすがにシーゲル家ほどではないけど比較的裕福で、でも常に部屋は汚い。ただその家は親がいつも家にいなくて(何度も家にあそびに行ったのに一度も顔を見たことがなかった)、それと比べればシーゲル家の母親ジャッキーはマシなほうなのかもしれない。

冒頭、虚栄心の塊みたいなジャッキーを見て「金の切れ目が縁の切れ目」ですぐ旦那を捨てそう…と思っていたんだけど、むしろ旦那が冷たい。終盤の会話とか聞いててかわいそうになった。そもそも学生時代の友人に、自分も困ってるのにお金をぽんとあげたりしてた(まあそれはそれで問題ではあるのだが)し、悪い人ではないんだよね。買い物中毒で、ちょっと頭のネジは飛んでるんだけど、もともとIBMのエンジニアになれるほどの力はあるんだし。

「いけすかない金持ちが転落するさま見てざまあ」的な映画だと思っていたけど、上述のヴィクトリアの件もあって、なんだか今はしんみりしてしまっている。ちなみに2019年時点でもあの家は売れていないらしい。
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