何やりてーんだ、こいつ。
松山ケンイチ、伊勢谷友介、大杉漣、これだけの名優揃えてこのグダグダ。
運命は変えられるのか(?)という普遍のテーマを描くのに、この程度のシナリオで、よく映画化GOサイン出たな。
天で運命を書いてる人たちがいて、その世界のお茶汲み「茶助」が下界に降りて、事故で理不尽に死ぬ薄幸の美少女を救おうとするという設定はおもしろい。
でも、本当に設定だけ!
ファンタジーかと思ったら、突然血塗れのアクションになるし、また間抜けなコミカルな展開に戻る。もうバランスめちゃくちゃで、どうしたいのかわからない。
で、我慢して最後まで見ていると、最後だけ急に感動ものにしようとして「人生は変えられる。運命なんかくそくらえ!」とかなんとか言って終わる。
壮大なるマスターベーション。このSABUって監督は何だ?
よかったことがあるとすれば、今は亡き大杉漣さんが見れたことと、オール沖縄ロケ。
エイサーや沖縄っぽさを全面に押し出して、異界に迷い込んだような雰囲気を強調したり、
公設市場など、よく知っているところが出てきたり、
劇場版『ハルサーエイカー』のドブーとチリーや沖縄のトム・クルーズがチラッと出てたり、
普通ならそれだけでも大喜びの要素がいっぱいあるのに、そういううれしい面が帳消しになって、かつマイナスになるほどのひどい出来でした。
私は運命論者じゃないので、普段はそんなことは絶対考えないけど、もし私の人生の脚本を考えた天の脚本家がいたなら、よくもまあこれだけいろんなことがある人生にしてくれたもんだと、感心するよ。ホント。