おいちゃん

レゴ(R)ニンジャゴー ザ・ムービーのおいちゃんのレビュー・感想・評価

4.6
「レゴ・ムービー」「レゴバットマン」に続くレゴ映画シリーズ。
毎回驚異的なクオリティでこちらの期待を遥かに超えてくる傑作シリーズがまたしてもやってのけた。
レゴの見た目に惑わされずキチンとした目で見ればその素晴らしい映像や脚本の質に気づけるはず。

ストップモーションにしか見えないフルCGアニメーションの技術。
おもちゃにしか見えないレゴと美しいライティングもほとんど実写なのですごい。

レゴムービーシリーズの魅力である脚本の素晴らしさは今回も健在。
レゴニンジャゴーの善と悪に別れた親子という設定を主軸に、問題の生じた親子関係のドラマを本気で成立させている。

グリーンニンジャとして世界を守る傍ら、街の破壊を目論む悪の帝王である父のせいで迫害を受ける主人公ロイドの心の機微。
何も知らない父とのすれ違う会話の可笑しさと哀しさが絶妙に混ざり合うバランスが素晴らしすぎる。
中盤からは悪の帝王であるブラックガーマドンの父親としてのドラマも濃厚。

吹き替えの翻訳とキャスティングが高水準なのもレゴ映画のお約束。


忍者といいつつOPから中国語のテロップ祭り&ジャッキーチェン登場というがっつり中国風味。

アクションシーンもめっちゃジャッキー映画。(そしてAKIRAオマージュ)
ベイのトランスフォーマーも真っ青のメカ描写にジャパニーズロボットアニメテイストも混じってもはや無敵のカッコよさ。

悪の組織に見るワンマン経営中小企業の会社的事情も垣間見える社会派アニメな要素すら満たす。


1時間50分の間にドラマとコメディを詰め込める限界に挑戦しているのだろうかというくらいの密度は紛れもなく世界水準のアニメーション作品。

悪の帝王の息子にしかできない結末もお見事でした。

エンドロールにはジャッキー映画お約束のアレもあるというカンフー映画への愛の深さも。


猫好きは絶対見てください。
おいちゃん

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