あゆぞう

沈まない三つの家のあゆぞうのレビュー・感想・評価

沈まない三つの家(2013年製作の映画)
3.9
三つの家族の物語

鋭敏な感受性の象徴としての少女、喪失や欠落の象徴としての離婚や病気、感情の狂おしく切ない発露としての変態性

中野量太監督作品に一貫している世界観を持つ佳作

「湯を沸かすほどの熱い愛」の賛否あるラストもこうして過去の作品を見てくるとなんとも味わい深い、とあらためて

地震のくだりとか、性の対象だとか、ウィスキーとか、笑っちゃうくらい優しい店主とか、(ジャケ写がネタバレしてるから触れると)変態すぎる「太もも」のシークエンスとか…この監督たまらなく好きだ

泣いて笑って

ジャケ写にはいないけど松原菜野花がいいなー、やっぱり

ただし、あれ

音源手に入らないかなー、欲しいなーと思わせるくらいいい歌詞のいい曲を歌ってるのが演奏もルックスもイケてないバンド…そんな感じの作品

そこがまたよかったりするけど、邦画嫌いな人とかには響かないんだろうなと…僕は応援するけど

太もも女子高生、コンビニ店主、芸達者な既成の俳優が演じてたら伝わってこなかったろうなと思うし

これで中野量太監督の主要作品ほぼコンプ

なんだか淋しい

あとはFilmarksに登録のない初期の作品探し…がんばろ
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