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富江・最終章 禁断の果実のkanacoのレビュー・感想・評価

富江・最終章 禁断の果実(2002年製作の映画)
2.9
人を魅了し狂わせるミステリアスで魔性なホラーガール〈富江〉を取り巻く事件を描いたJホラー4作目。4代目・富江を演じる安藤希は女もオジさまも虜にするクールビューティー系のお姉さん。安藤希とまだあどけない宮崎あおいの百合展開&國村隼が狂っていく様を堪能できる一風変わった〈富江〉かも🤔(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

★〈富江〉のキャラクター設定について明確なネタバレがあります。初見の方はご注意をお願いします。

◆あらすじ◆
母を亡くし、父親と2人暮らしをしている女子高生の登美恵。引っ込み思案で地味な彼女は同級生から苛められるつらい日々を過ごしていた。そんなある日、登美恵の前に美しい少女が現れる。彼女の名は富江。自分と同じ名前の、美しく奔放な性格の初めてできた友人に心奪われていく登美恵。一方、父和彦は家に遊びに来た富江をみて驚愕する。なぜならば彼女はすでに死んだはずの、20年以上も前に愛した初恋の女性だったからだ。戸惑う和彦に富江は微笑む。「初恋をやり直しましょう」やがて父娘は富江が人間ではないと気がつくが…。

❶ 魔性で冷酷なホラーガール〈富江〉を取り巻く事件を描くJホラー4作目

長い黒髪、涼しげな目元のクールな顔立ち、左目には泣きぼくろ、冷ややかで狙ったら絶対に逃さない周到な立ち振る舞い…。絶世の美貌を持つ謎の女・川上富江。突如現れ魔性とも言える魅力で出会った男全てを虜にし、狂わせていく異形の存在…。ホラーガール〈富江〉を取り巻く事件を描いたJホラー映画シリーズの4作目です。

後述しますが本作は今までの作品とちょっとテイストが違います。それ故に、富江の能力発揮もパターンは同じながら極力控えめ。ただ、かなり昔から存在していること、決して死なないこと、魔力のような美しさで人を虜にすること、男を操ること、やはり過程のどこかで殺害されてしまい、体を切断されることで分裂し、そして増殖していくというのは同一でした。ここは基本ステータスですかね🤔

❷4代目・富江を演じる安藤希は女も年上も虜にするクールビューティー系のお姉さま

シリーズがかなり多く出ているみたいですが、ホラーアイコンである富江を演じる女優さんが作品ごとに違います。誰が演じるのかも楽しみの一つかと🤗

3代目・富江を演じるのは、キリっとした目元が印象的なお姉さまタイプの安藤希さん。

私は始めて見た方なのですが1997年頃にテレビ東京で放送していた『おはスタ』で〈おはガール〉をしていた方だそうなのでもしかしたら見たことがあるのかもしれない(山寺宏一&レイモンドの時代のガールだったみたいなので)🤔

4作品目にして、またクールビューティー系に戻りました。ただ操り人形にした対象に対するワガママ度は割と高めなので宝生舞ほどクールではなし。ワガママする時の要求がたっかい!からかう調子で男を手玉に取る妖艶な感じというよりは、思ったよりも真っすぐに相手にアプローチをかけてくるタイプだし、主人公の登美恵が地味子ちゃんで気が弱く受け身なので、奔放で攻め強い富江は同級生ながら高飛車なお姉さんタイプみたいな感じでした。

❸安藤希と宮崎あおいの耽美な百合感と、國村隼が静かに狂っていく様が見所かな

今までの富江は、自分(の容姿)と同じ年くらいの若い男たちを複数同時に虜にしてハーレムをつくり、その彼女たちを攻撃対象として攻めて楽しんでいるようなタイプばかりでしたが、安藤希の富江の狙いは一直線。17歳くらいのまだあどけない娘の宮崎あおいと47歳の父親である中年男性の國村隼です。

話の中心は富江(ヴィラン)、登美恵(娘)、和彦(父親)のみ。富江と登美恵の耽美系な百合物語(途中までだけど…)と富江と和彦の過去からの因縁の物語がきっちりと主軸になっており、ホラー的な演出は控えめにして関係描写に重きを置いています。富江によって唐突に暴走するのではなく、父と娘がゆっくりと狂気に染まっていく様子が雰囲気ありました。そのためストーリーを追うには一番見やすかった作品でした(富江自体の演出は別として、ストーリーラインの分かりやすさだけで見れば、回を増すごとに分かりやすくなっているシリーズな気がします)。

若くてまだ子供らしさも残る宮崎あおいがとても可愛い😍富江にのめり込んでべったりと心酔する様では、指舐めすら披露してキリリとした安藤希に甘えていきます。一方、最初は秘めつつもどんどんとおかしさを露呈していく國村隼の不気味さやヤバさも良い感じでした。途中、捉えた富江を父と娘が仲良くならんでうっとり見ているシーンがありますが、冷静に考えたら訳の分からない状況でちょっと面白いです😁

🐝🐝🐝🐝「本作のタイトルは最終章となっていますが、全然最終章ではないらしく、後続シリーズが続いているみたいです🤗ただ、U-nextに配信がされているのはここまでなので、いったん「富江シリーズ」の鑑賞はおしまい!フィルマのスコアも全体的に2.7~3.0にまとまっている4作品でしたが納得です。どれも長所と短所があって総合的にみたらトントンかなというのが私の感想でした。富江と富江とそれから富江、みんな違ってみんないい、ってkanacoの心の中に住む金子みすゞも言っていました(言ってない)😉」
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