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フランキー&アリスのqqfowlのレビュー・感想・評価

フランキー&アリス(2010年製作の映画)
4.0
多重人格ものってつい見ちゃう。この映画は事実が基になってるらしい。

1950年代、人種隔離政策が取られていた頃のアメリカで少女時代を送った主人公フランキー(アフリカ系)は、母親の勤め先のお坊ちゃん(白人)と恋仲になるが、いろいろあって多重人格を発症してしまう。

アフリカ系女性フランキーの中に、なぜか、差別主義者で自分を白人と思っているアリスという人格が生まれてしまう。

~~~ここからネタバレ~~~

アリスというのは、フランキーと白人ボーイフレンドの間にできた赤ん坊につけるはずだった名前。また、アリスは、フランキーが忘れている、アリス出産時の記憶を持っている。つまり赤ん坊でもあり母親でもある。めちゃくちゃややこしい。この一筋縄では行かないところは、逆にリアルな感じがした。

アリスを産んだときの人格にアリスという名がなぜかついているが、本来これは「アリスの母親」で、もう一人の少女の人格、医師がGeniusと呼んでいた子が「アリス」なんじゃないかな?なんて思ったりした。

どっちにしても、アリス(母親)が自分を白人と思い込み、かつ差別主義者になってしまったのは、不条理すぎる赤ん坊の死を受け入れられなかったから。何とも悲しい話だった。
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