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ショートホープのchiyoのレビュー・感想・評価

ショートホープ(2013年製作の映画)
3.5
2014/10/18
多くを語らない和也だけれど、彼の目だけは雄弁で、彼の心の内を想像するだけで切なくなる。自転車の練習をしている親子を見つめる目、中学生に絡まれても泣き言ひとつ言わない強さ、そのシーンだけで和也のこれまでの我慢が見て取れる。そして、まだ見ぬ父親に会うために出た、小学4年生のひと夏の冒険。その結末は見るも無惨なものとなったけれど、それで和也がへこたれることはなく、今まで以上にしっかりと前を見据えていて安心した。立場的には和也の亡き母親のヒモではあるものの、良輔がなかなか男前で憎めない。何だかんだ言いながら、和也が本音でぶつかれるのは良輔だけなので、これから二人で生活出来ると良いのに、と願ってしまう。夏が来る度に和也はこの冒険と決別を思い出すかもしれないけれど、最大の理解者を得たことも一緒に思い出してほしい。それにしても、良輔は目玉焼きしか作れんのか(笑)。
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