OASIS

悪魔の倫理学/怒りの倫理学のOASISのレビュー・感想・評価

2.6
隣に住むホステスの女性の部屋を盗聴していた男が、彼女が殺された事により事件に巻き込まれて行くという話。

警察官でありながら盗聴犯の男、ホステスと愛人関係にある妻子持ちの教授、ホステスと無理やり別れさせられた元彼、そしてホステスが働く店の社長など、多数のキャラクターの視点を行き交いながら映画は進む。
それにしても、どいつもこいつも全く同情の余地が無いほど憎むべき奴らで、そんな人達がどうなろうと知ったこっちゃないのだが、それぞれが次第に繋がってどんどんドツボにハマって行く様子が可笑しかった。

音楽や演出がサスペンスとして盛り上げたいのかコメディとして笑わせたいのかが微妙な感じで、社長が警察官や元彼を拷問する時であったり、皆が一堂に会して血みどろな戦いを繰り広げるクライマックスにしたって盛り上がりに欠けているし、人間同士の醜さよりも滑稽さの方が目立っている印象だった。
あえてそれを狙っているのかもしれないが。

教授の奥さんが出て来た辺りからは何を考えているのか分からない彼女の怪しさによって映画の雰囲気が変わるが、ちょっと登場が遅くてそんな劇的に変わる訳でも無い所が惜しかった。
別のキャラクターに切り替わる毎に配線やダクトを伝っていく映像が挟まれるのだが、それが後になってくると若干しつこく感じてしまったので前半だけで抑えておく方が良かったと思う。

そんなに捻った作品で無くとも、ラストにもう一押しプラスする事で「ヤラレタ感」を力技で演出して来るところは韓国映画らしく、そういう部分を見せられると一応の満足感は得られてしまうので狡いなと感じた。
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