Arlecchino

孤独のススメのArlecchinoのレビュー・感想・評価

孤独のススメ(2013年製作の映画)
4.1
面白かったですね。飄々としたコメディであるとともに非常にキリスト教的な話ですから、キリスト者には私よりもっと感動的だったでしょう。中心に教会をおいた寓意に満ちたお話。ある意味福音書ですね。

主人公フレッドのもとに訪れる聖なる愚者テオ。神に通じる愚者であり、キリストの化身でもある。羊(!)のシーンが象徴的です。
「良い羊飼いは羊のために命を捨てる。羊飼いでなく,自分の羊を持たない雇い人は,狼が来るのを見ると,羊を置き去りにして逃げる。――狼は羊を奪い,また追い散らす。――彼は雇い人で,羊のことを心にかけていないからである。」(ヨハネ 10,11-13)
イエスはここで「良い羊飼い」ですが、同時に「神の子羊」でもある。テオも文字通りそういう風に描かれていましたね。隣人がテオを欲してフレッドに嫉妬したりする。
フレッドはテオを通して新しい人生の幸福にたどり着く(救われる)。

音楽は全編バッハ。フレッドが追い出した息子が8歳のころ天使の声で歌っていたのはマタイ受難曲から「主よ憐れみ給え」でした。感動的です。

邦題は何なの? この映画の寓意を理解していないのだな。
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