このレビューはネタバレを含みます
作中通して日本兵が敵と対峙している瞬間が殆どない。
実際はここまでではなかったのだろうけど、終戦間際はまともに戦える状態ではなかった事が分かる。
味方を騙し、食糧を奪い取り、殺す。
戦争の真の恐ろしさというと安っぽいが、こういう所にあるのだろうと感じる。
水を浴び、芋を貪り、サルを食べる…人間の極限状態での生への執着が、綺麗事を抜きにして描かれていた。
戦後に移ったラストでは、味方を殺してしまった事、人間を食べてしまった事、生き残ってしまった事、そしてそれらの後悔が強く残っていると思えるシーンになっていて良かった。