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コンビニ・ウォーズ バイトJK VS ミニナチ軍団のotomisanのレビュー・感想・評価

3.8
 「おお、加奈陀」合唱で締めたからと言ってカナダ誉めではあるまい。
 J.デップの親ばか映画の「ヨガ馬鹿」と聞いて、これでデビュー(?)では娘の方はさぞ迷惑だろうと思い面白がって見た。が、どうしてどうして、カナダをネタに遊びまくりでさぞ楽しかったろう。
 米加両国は移民が先住民を押しのけて拓いたところは同じでも、何となく性惰が異なり反りの合わない夫婦のような感じがする。背中合わせというが、これなら合わせ目が一線になり両国国境線とぴったりくる。向き合ってくっつくと出っ張りがうまく合わず... 
 さて映画は、妻(=カナダ)が「ムスメがヨガ馬鹿なのはアンタ(夫=U.S.)に似たせいよ!」と怒っている日常を、娘+探偵(=夫の代用=製作のU.S.)がナチの亡霊どもをやっつけるウルトラHで覆すヒーロー譚に仕立て、「やっぱり俺(=夫=U.S.)は最高だろ!」と勝手に吠えてる感じがする。
 だが、このワンワン言ってる程度のかわいいギャグ連発感がなかなか良くて、締めの"O’ CANADA"合唱まで飛ばしまくるのだが、夫「そうむくれるな、ラスト一曲はおまえ(=妻=カナダ)の十八番”O CANADA"だよ」とスタートしてみると敬意のかけらも感じられ無くて...
 米加の溝を深める国難映画の類でも、これだけ可笑しければ、一笑一笑と済むところだろう。だといいが。果たして映画祭に出したら助成金が却下されたりするだろうか?
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