カズナリマン

誰でもない女のカズナリマンのレビュー・感想・評価

誰でもない女(2012年製作の映画)
3.7
第二次大戦中、ドイツに占領されたノルウェーで起こった悲劇的な歴史的事件を、とある秘密を抱えた女の視点から描くミステリー。
ま、「ナチスx秘密を抱えた女」と言うと、たいていこう言う展開をする、と言う方向には一応行くのですが、ノルウェーでの事件ってのが如何もナチスがヤリそう!であり、でも自分が知らなかった!と言うのもあり、なんかいろいろ楽しめた…と言うか、心打たれました。
実際の事件に基づいたドラマ、と言うわけではないみたいなので、ちょっとエンタメに偏った部分に「やりすぎ感」が漂うのは残念です。あと、1時間35分と言う短い尺が、この物語を語るにはコンパクトすぎたかなあ。
もっとノルウェーの寒々しい景色なんかを見せて、主人公の抱える闇や、彼女を巻き込んだ事件の悲惨さを伝えて欲しかった気がします。
でも、史実が何より圧倒的!ナチスってほぼフリーコンテンツだし、あちこちの国がいろいろ「うちでもこんな事あった!」って出してきてますよねー。
同じく第二次大戦中、アジアでめちゃくちゃやった日本の裏話って結構あるんだろうな…でもそれを今語る映画はもちろん日本では作られないし、海外で作られても「嘘だ」とかレッテル貼られて、日本に入ってこない…嗚呼、そこが一番恐ろしい、と感じたのでありました。