れこーど

エレファント・ソングのれこーどのレビュー・感想・評価

エレファント・ソング(2014年製作の映画)
4.0
これはもう好き嫌いはっきり分かれる映画です。『シングルマン』という映画が以前あったが、そう遠くもない作りなので、あれが好きならこれも合うだろう。
グリーン院長、患者マイケル、ピーターソン婦長の3人の会話劇、密室劇と言える。インテリア、服装、会話どれをとっても、センスがいいと思う。
あくまで大人な映画で、多くの方が最後まで集中出来ないのではないか。5年前の自分なら最後まで観れなかっただろう。重かったので、『ブラタモリ』見てまったりする正月を過ごします。(^_^)

このあとネタバレします。

はじめはマイケルがこの精神病院を出て自由になりたいのだろうくらいにしか思えないのだが、、、。マイケルの真意と過去を知った時に衝撃が走るだろう。ローレンス医師がラスト以外は登場しないが間違いなくキーパーソンですね。
人は誰でも傷を抱えている、、、この言葉を容易く(たやすく)使ってらならないことを教えられた。分かった気になって人を傷つけることすらある。院長は自分の抱えた傷の大きさに過信?し、彼の内面に気付けなかった。

マイケル役のドランは憑依したのか?!という迫真の演技だ。


婦長とベンチに座っているラストシーンは何度観てもすっかり哀しい結末とは感じられない。それと彼に少なからず好感を持ってしまうという、この点でもこの映画は成功していると思う。だから彼が僅かながらも心穏やかな時間を手にしたと思うようになる。身寄りのない者、愛されることのなかった人の寂しさがこんなにも辛いのか。

ただ、彼が同性愛者でなくても、とは思ったかな。

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