冒頭から70年代初頭のヨーロッパらしいキッチュでサイケデリックな画像を次々と繰り出された時には、これから一体何を見せられるんだ!?と思ったら・・・外国からパリにやってきた田舎娘が、悪い大人に利用されてヤクザ者の女郎部屋に売られて大変な目に遭う・・・という話だった。
結構恐ろしい話で、石井隆監督が撮りそうな映画なんだよな・・・。
ヒロインを演じるカリン・シューベルトの青い目。ポップでオシャレなフランスのファッションやインテリア、必要以上に荒れ果てているのに美的な女郎館。印象的な「恋人の丘」のロケーション。ファンタスティックな照明。味わい深い俳優たち。グロテスクな料理。どこか雑な仕上がりのSM道具。血の吹き出すゴア描写。気のふれた女の悲鳴。謎のママの存在。
一つ一つはどれもが良く出来ているのに・・・モンタージュすると、微妙な出来の不条理ポルノに仕上がっている・・・のも、当時のおフランスっぽいと言えばそうなんだけどね・・・。