デイジーベル

マウス・オブ・マッドネスのデイジーベルのレビュー・感想・評価

マウス・オブ・マッドネス(1994年製作の映画)
3.8
「コレが本当のポップコーンムービーだ!🍿」

◯作品と概要◯
「遊星からの物体X」以降、久しぶりにゾクゾクするホラーで、″怖い映画を撮る″カーペンターの復活ともいえる作品。キャチコピーの「覗くな。狂うぞ・・・」も我々の期待値を否が応にも上げてくれる。″ホラー界の帝王″と言われたカーペンターの真骨頂が楽しめる作品で(好みが別れそうな作品だが完成度は高い)終末三作品の最後を飾る作品。(小さいスケールで、でっかい話へと導く、素晴らしい作品群のひとつだ)

◯ストーリー◯
_(┐「ε:)_ 依頼され、失踪中のホラー作家を探し、地図に載っていない街に辿り着いた保険調査員のトレント。やがて彼は小説が現実を侵食する悪夢の世界に飲み込まれていく…

◯感想◯
監督に「名状しがたい恐怖」と言わしめた作品。
イメージ先行でストーリー性が希薄(実際はシンプルなストーリー)に感じやすい為、1度観ただけだと良くわからないまま終わってしまう可能性(解釈の自由度が高く、観念的な作品ともいえる)がある作品。クリーチャーを余り見せずに、不気味なシーンを重ねていって、我々の不安感を徐々に煽ってくる(その結果、地味なシーンが魅力的に感じる)。辻褄が合わないような部分を逆手に取る(その違和感が不安感や恐怖に繋がる)演出が素晴らしい。そして「サム・ニール」の演技が今作を、より魅力的にしているのは間違いないだろう。映画(虚構)の世界と現実の世界が合わさるメタ的な感覚を得られる稀な傑作だ。(劇場で今作を観れた人が羨ましい)

「常軌を逸していても、それが大多数なら正気になる。」


◯雑記◯
今作はカーペンターが敬愛する、幻想小説家「ラヴクラフト」の暗黒神話体系″クトゥルフ神話″がモチーフになっているらしいが、残念ながらラヴクラフトの小説は一作も読んだ事がありません。(´ω`)

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