Stroszek

最後まで行くのStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

最後まで行く(2014年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

一種のピカレスクロマン。

「母親が眠る棺に自分が轢き逃げした知らない男の死体を隠して一緒に埋葬する」とか、発想がぶっ飛びすぎている。

誰にも知られずに棺に他人の死体を収めようと四苦八苦する様子が不謹慎だがとても可笑しい。

「もっと大事な用事がある」と母親の葬儀を抜け出して何をしに行くかと思えば、監査官に調べられる前に汚職の証拠を隠そうとしていた。結局隠しきれていないし、とんだ無駄骨だった訳である。

それよりも隠蔽しなければならない事態(轢き逃げ死体)が生じ、スラップスティックコメディ的に物語が転がり始める。

前半のピークは間違いなく、主人公のゴンスが棺に知らない男の死体を収めるまでである。

それからいろいろあり、自分を上回る汚職警官に追いかけ回されることになったり命を狙われたりする。

「韓国は土葬文化なんだ」とか、「あんなに広々としたマンションでもユニットバスなんだ」とか、日韓の文化の違いが垣間見えて面白かった。

最後、部屋いっぱいの札束を前にしたゴンスのカットで終わる。しかし彼が無事、汚職刑事が不正により溜め込んだ金が詰め込まれた個人金庫を出られたのかどうかは定かではない。あの個人金庫のボスも汚職刑事が絶命しているのは把握しているだろうし、彼の財産を誰が奪ったのか興味があったのだろう。ゴンスを簡単に金庫室に通したのも、彼がどうするのかを見極めるためではないか。ゴンスにとっては一難去ってまた一難である。

ゴンスには店子がいる(=家賃収入がある)のに何故汚職に手を染めたのか、また、汚職刑事はどうやって一瞬のうちにゴンスの同僚を殺してからゴンスのマンションまで移動したのかがよく分からなかった。
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