津軽系こけし

ナイトクローラーの津軽系こけしのレビュー・感想・評価

ナイトクローラー(2014年製作の映画)
4.8
ジャーナリズムと狂気の共通性、それを体現したルイスという悪魔。

この手のキャラクターを楽しむことに重点をおいた映画は「ジョーカー」しかり「キングオブコメディ」しかり私は大好きらしい。
まずジェイクギレンホールのハマりぶりが異常、彼の誠実な雰囲気と眼光をこの映画は見事に活かし、彼自信の演技もパワフルですぐにこの話にのめり込んでしまった。

そして特筆すべきはルイスの悪魔っぷりとそれを肯定してしまう報道の世界の狂気。ドラマ版のハンニバルで「殺人鬼はジャーナリストに憧れを抱きやすい」という台詞があったがその理由がよく分かった。

ルイスには血や暴力で溢れた世界を自分の目で観たがる欲求と自分の観るそのヴィジョンをテレビを通して他人に見せたい欲求があるのだと思う、そこに報道という最強の建前がついてしまえば彼を止めることはできない。
しかもあの会社では残虐であれば残虐であるほど評価されるのだから彼にとっては天職だろう

しかし私はこのルイスのキャラクターより、こんなの思いついちゃうこの映画の脚本兼監督のダン・ギルロイの方がよっぽど怖い。

あと「ナイトクローラー」ってタイトルも抜群にかっこよくてすこ
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