配信もソフト化もしてない作品を特別上映ってことで観てきました。
3.11や原発をテーマにして、被災者以外の人々の思いや、受け止め方、関わり方を描く。
こう書くと人間ドラマっぽいけど、テイストはミステリーホラー。
マイケル・シャノンの「テイクシェルター」や未体験ゾーンで観た「スクールドアウト」に「ドニー・ダーコ」を混ぜ込んだような映画。
虚偽記憶、ドッペルゲンガー、予知夢などオカルティックな題材もふんだんに出てくるし、全編に渡って不穏な空気が漂ってる。
あの図書館員のシーンやオープニングで淡々と予知夢について語るシーンなんかはゾッとした。
ただ、1つ1つのシーンは面白いのに、詰め込みすぎてまとまりが無くなってる印象。
特に学内を彷徨う男のくだりは、どういう経緯なのかも語られないのはモヤモヤ。
とはいえ、今観ているのが夢なのか、現実なのかが分からなくなってくるし、考察好きの人にはハマりそう。
あのラストシーンには余韻が残る。
あと残念なのは、主役をはじめ熱演してるキャストと、それこそ学生演劇みたいな拙い演技のキャストが混ざってる違和感。
おそらく実験的な要素もあったりするのかな。
もう1つの「アナザーバージョン」もあるらしく、そっちも観てみたくなった。
注意点として、2ヶ所ほどビクッてなるシーンありますので今後映画館で観る方はお気をつけて…
今回はサプライズで監督さんと主演の山田キヌヲさん、木村さんが登壇してくれました。
山田さん自身、今は現実なのか夢のシーンなのか分からなくなって監督に聞きながら演じてたそうな。
なんだか監督さんの解説を聞きながら酒を飲むと楽しそうとか思ってしまった。
観るタイミングや、観る年齢などによって印象が変わる万華鏡的な作品なのかもしれない。