劇場版アニメが好きな者としては、南雲さんが登場するだけで胸が熱くなるものがある。
ただ、このサイズの映画にするには、ちょっと欲張りすぎた感じがする。
劇場版アニメからの後日譚としてのストーリー、という側面と、灰原零のストーリー。
押井守監督としては、後者のストーリーを本作で生かせないことの不満から、劇場公開のわずか半年後にディレクターズカット版を公開、という異例の展開があったが、前者のストーリーを考えると、このオリジナル公開版の方が、テンポが良かったと思う。最後の隊員達が喜ぶシーンはディレクターズカット版の方が、と思うが、それ以外はおおむね、オリジナル版の方が妥当な感じがする。
逆に、灰原零のストーリーをきちんと表現したかったら、映画一本の時間は短すぎる。もし、これを前後編の2本構成で作る事ができたら、もっと面白い作品になったのでは、と思う。