オーウェン

アメリカン・ドリーマー 理想の代償のオーウェンのレビュー・感想・評価

3.7
アメリカでは危険な年という認識の1981年。
強盗が日常茶飯事で、犯罪ニュースばかりの放送。
そんな中で移民のアベルはオイルの会社を起業するが、ライバル会社の陰謀や脱税疑惑を突き付けられ窮地に。

話としてはかなり地味なものに写るが、のし上がることをこの映画は良しとしない姿勢で描いていく。
だからこそ真っ当な仕事をしていたアベルは疑心暗鬼に陥り、救いの手を違法でも構わないと感じ始める。

どこら辺がアメリカンドリームなのかと思うが、これは結果的にという苦い味でしかない。

主演のオスカー・アイザックの立場は「ゴッドファーザー」のマイケルと何ら変わりがないわけで、どちらにも傾く危険性を持ち合わせている。
そして妻を演じるジェシカ・チャスティン。
行動の裏に潜む意味はいちいち疑問を投げかけて、かき回していく存在感はすごいものがある。

真っ当な奴はつぶされるという道理の中で、どこまで正直を貫けるのかがきっちりと見て取れる中身だった。
オーウェン

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