Toineの感想文

ウィットネスのToineの感想文のレビュー・感想・評価

ウィットネス(1993年製作の映画)
3.8
【純粋な瞳、視線の証人】
先日レビューいたしました「ロシア52人虐殺犯/チカチーロ(1995)」の監督が撮った台詞なしのショートフィルムです。
この監督さん歴史の闇を撮るのが本当にお上手。
子役時代のイライジャ・ウッドさんが観れます。

ナチス統治下のユダヤ人強制収容所で毎日たくさんのユダヤ人をガス室に送り込む軍人の青年。
収容所からガス室までの通路に立ちフェンス越しに青年を見る1人のユダヤ人少年の視線に気が付く。
毎日往復する度にじっと見つめる大きな瞳。
それが彼の頭から離れなくなり…

言葉を発さない子供の真っ直ぐな視線が何を訴えていたのか。答えはひとつではないと思いますが青年は心の中で罪悪感を募らせていく。

大人になると何でも分かったつもりでいるけれど小さな子供にはっと気付かされる瞬間ってありますよね。

ラストの立体的なカメラワークとオチが素晴らしいです。
短い尺の中で社会に染まった(政治に洗脳された)大人と汚れのない子供との対比を上手に表現している良作だと思います。

そしてイライジャ・ウッドさんの子供時代はやはり天使でした。再確認できた。間違いなかった。演技も上手!可愛すぎる!