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劇場版 ムーミン谷の彗星 パペット・アニメーションのYOKのレビュー・感想・評価

3.6
ムーミンかわよ。
みんな知ってる?ムーミンってかばじゃないんだよ、妖精なんだよ。(有名なソレ)

先日グリーンランドという彗星によって地球と地球人が大パニックになる映画を観たので、今度は平和な(?)世界線での彗星によるゴタゴタを観てみようかな、なんて。

パペットアニメーションって大好きなのよね。ちょっとぎこちない動きっていうのかな、カクカクしてるのめっちゃ好き。3Dにはない手作り感があって温かいよね。今作のムーミンたちキャラクターなんて質感がフェルト、暖かいの真骨頂過ぎて目が癒された。

毎度お騒がせのスニフがしれっとナレーションさんに「短い足」って言われてるの、ふふってなった。今作でムーミンたちとはじめましてしてるスナフキンの肌がだいぶ赤くて、なんかテント暮ししてる人って感じある。そしてなんだか知らぬ間にしれっと一緒に天文台に向かうスナフキン、とてもスナフキン。

私あんまり声優さんに詳しくないけど、ムーミンって声優さんちゃんとしてて豪華よね。パパがイケボ(大塚明夫ー!俺だー!愛してるー!)すぎてもっと出てきて欲しかったし、スニフってもしかしてフリーザ様では?フリーザ様の声ってなんか知らんけど笑えてきて好き。凄くフリーザ様だなぁって感じある。ムーミンってコナンくんでスナフキンはディオとか、強すぎ案件。

とにかく映像が美しい。どこを切り取ってもポストカードのような温かみと美しさと可愛らしさがあってたまらん。ムーミン谷の彗星自体はムーミンシリーズではだいぶ有名作品らしい。そういえば子どものころに祖母の家で見た記憶がある。エヌエッチケーだったか、キッズチャンネルだったかで。なんか怖かった記憶。

しれしれっとムーミンがボーイミーツガールしちゃう可愛さもあって、彗星でみんな死んじゃったらどうしよう!みたいな状況とは思えぬのんびりさもあって、なんだか緊迫感はない。まぁ子供向けのアニメ作品ですしね、殺伐としているよりは何倍も良い。

スナフキンが「天文学者っていつもこんな高い所にいるんだろ?信用ならないなァ」的なことを言った時、ディオの方がよっぽど信用ならんわ、って私の中のジョナサンがめっちゃ突っ込んだ。もっと声優に詳しい人間に、私はなりたい。

私は学がない人間なので、この映画で彗星って赤いことを知った。そう言えばグリーンランドでも空真っ赤になってたもんね、彗星って赤いんだね。またひとつ賢くなってしまった。

思ったより彗星関係なくて、ほとんどがムーミンたちの冒険のシーン。空こそ赤いので異常な事態ってことは分かるものの、ムーミン一行がイカダで川を降り、ヤバい状況から美しいお嬢さんを助け、仲間と協力して家路に着く。おい、彗星のどうした?なRPG感。

ちゃんと彗星がわーってなってパニックになるシーンも用意されているもののあっちゅう間に終わるので、え?もうおしまい???って。まぁみな無事でよかったわな。

ムーミンや仲間たちのすっとぼけた感じと、緊迫した状況でもそこまで慌てず騒がずのんびりしているのでとても癒された。ムーミンの「彗星はパパとママが何とかしてくれるさ」的なセリフ、さすがに笑った。子にここまで信頼される親そうそういなくない?素敵ね。

ムーミンもドントルックアップもグリーンランドでもそうだったけど、世界の終わりは大切な人と一緒に過ごせたらそれでいいのかもしれない。
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