ぽち

FLINT ~フリント 無敵の男~のぽちのレビュー・感想・評価

1.1
ロシアのTVMで一本1時間40分。2本で前後編として放送された物のようだ。
まだ前編しか観ていないが、とりあえずここまでの感想。後日後編を観たら追記しよう。

(前編)
もうまんまランボー。って言うか、もしかしたら原作同じ?とか思ってしまうほど。
後半でどこまで違ったストーリー展開が出来るか、変な期待感でテンションは上がる。

主役演じるウラジミールはなかなか魅力的な役者さんで、続編まで日本に輸入されているって事でもわかる。

前編はラスト付近で出てくるヘリコプターから一気にB級感が増すのが残念。
まずヘリの形が何というかロシア的でカッコ悪い。巨大タケコプターって感じ。

あの鬱蒼とした森の中を上空から一機のヘリで探すこと自体無理がありすぎるが、わざわざ川辺に出てくるストーリー運びはそれ以上にあり得ないご都合主義。

川に転落して水面ギリギリにヘリがおり・・・・そこで水から主人公が飛び出してくれれば大爆笑だったのだが、さすがにそこまでパクる勇気はなかったか。

さて、後半どのようにオチをつけてくれるか期待しよう。


(後編)
あ~あ、やっちまったか・・・・・って感じで、後編でどれだけランボーから離れられるかが見どころだったが、オチまでそのまんまパクリでガッカリ。

もしかしてロシアではランボーが未公開だったのかと思ってしまったが、作中で自虐ギャグとしてランボーの名前が出てきたのでそんなことは無いのだろう。

唯一違う点は女性が絡んだことだが、これも前後編あわせて210分、3時間30分、普通の映画約2本分なので、その水増しに挿入されたエピソードに見えてしまう。
実際いない方がスッキリしたような気がする。

それに気絶しているのを発見するのがその女性の祖父というのもあまりのご都合主義。

警察署長のキャラなどそのままランボーのティーズルだし、演じたパベル・クリーモフがブライアン・デネヒーに似てる。
迎えに来る上司のキャラまでそっくり。

ここまで同じだともう確信犯というか、ギャグとして成立するレベルだろう。

あ、けどギャグで笑ったのは所長の部屋の写真だな。
セガールおやじ、にっこり笑って握手してんじゃね~よ!!

前編だけならそれなりにテンションは上がるが、前後半で一つの作品と言えるので俯瞰で見ると、笑い飛ばせるパクリの範囲を超えてしまっている。

でも、珍品という事で楽しむことはできたので、愛情を持っての低得点とさせていただく。


余談。
他愛のないパクリTVMなので、真面目に観てはいけない部類の作品ではあるのだが、昨今のロシアのウクライナ侵攻などを見ていると軽く笑い飛ばすというのも気が引ける。

まぁ、作品自体に罪は無いのでそれに絡めて叩いてはいけないのだろう。

でも、ギャグに使われたセガールおやじは選択を間違えてしまって、今後は出演作や支持は減っていきそう。
「2022年のロシアによるウクライナ侵攻に際しては、2022年4月、ロシア・モスクワでの自身の70歳の誕生日パーティにおいて、プーチン大統領と同盟者に対する揺るぎない支持を表明した」

イクラロシア国籍を持っていても、父親がモンゴル系ロシア人でも、この意思表示はセガール出演作の市場である多くの国からは受け入れられないだろう。
ぽち

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